Nicotto Town



喪を埋める。

何事につけてもそうだけど 葬るのって結構難しいよね。私はそう思う。


とりあえず私はいつもの砂場に行った。
寒い夜。あの、呼吸に鉄の味が混じるような夜のことだよ。あの鼻を抜ける空気が冷たい夜。

私はとりあえず砂場に行って、一掴み冷たい冷たい砂を自分の手のひらにかけてみた。深夜二時。

喪の儀式。

一つ一つ、埋める。なんだっていいよ。スコップで掘ってそのスコップを埋めた後に、ビー玉の透明なやつとか、小さな手帳と磁石。そうして念入りに砂を押し付ける。それと一緒に呼吸を止める。

「代わり」と言い含むように言って、すっかり埋められたあとにパラパラと砂をかけた。

葬るのはいつも難しい。いつも息を吹き返す。冷たい夜なので心臓が鉄の箱みたいに重く鈍く痛い。

戦争はいつも何かの代理で、私は本当のものなんてきっと永遠に見られないのだ。




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