7段 信じてる
- カテゴリ:自作小説
- 2025/05/25 17:05:32
K先輩がフルートを吹いている。これはもう数日ぶりである。
最近K先輩は定演の脚本係の仕事で忙しく、部活中も練習せずに話し合いに出ることがとても多かった。
それに加え、高校3年生が試験により不在の中、劇の準備を指揮なさっていた。
そのような姿に、私は本当に憧れている。そんな先輩が、仕事にひと区切りつけて、フルートを基礎から練習されているのだ。
そして、教室にずっといらっしゃるので、つかの間の休憩の時にお話しすることができた。
私がペンライトの所持数を調査するためのLINEの投票で「1本」と回答した時のこと。
いつもは推しの話などしない私がペンライトを持っていることに驚いたらしく、K先輩が、
「えっ!?何のペンライト持ってるの!?」
と聞いてきた。
『何の』とは、ペンライトのブランドのことだろう。
残念ながら私は「普通のペンライトです・・・」と答えてしまったが、K先輩は嬉しそうに見えた。
ちなみにK先輩の持っているペンライトは「KING BLADE」だそう。発光・発色はかなり良いが、値段が3000円前後と高めだそう。
青いリボンがつけられて、K先輩らしい雰囲気をまとっていた。
この日は、K先輩と久しぶりに、思う存分お話しすることができた。
帰り際、私はK先輩と一緒に帰りたいと思い、後を追っていたが、K先輩は、「お疲れ様です」と言って一人で行かれてしまった。
きっとK先輩も、たくさんの人と関わってお疲れなのだろう。私はそっと後姿を見守った。
K先輩、お疲れ様です。今日は私とお話しさせてくださり、本当にありがとうございました。
また明日も、K先輩のおそばにいられると信じております・・・!