Nicotto Town



静かな日常の途中


年を取るっていうのは、たぶん、そういうことなんだと思う。
誰かと寄り添わなくても、日々は静かに流れていく。
何かを求めすぎないことにも、人は慣れていく。
そうして、静かな暮らしが当たり前になっていく。

誰かがいなくても、生きていける。
ひとりの時間には、ある種の自由がある。
食べたいときに食べて、眠りたいときに眠る。
夜中にふと目が覚めても、誰に気を遣う必要もない。
そういう暮らしは、気楽で、案外悪くない。

だけど、ごくたまに、胸の奥がきゅっと音を立てる夜がある。
それは風のように静かにやってきて、灯りの落ちた部屋をやわらかく満たしていく。
窓の外には街の音が続いている。
誰かが笑っている。車がすれ違っていく。
遠くのサイレンが、夜の空気をゆっくり揺らす。

そのざわめきのなかで、自分の輪郭が少し曖昧になる。
手を伸ばしても、そこには誰のぬくもりもない。
ただ、カーテンの隙間から差す光と、自分の呼吸があるだけだ。

自由っていうのは、たいてい静かで、それなりに心地いい。
でもときどき、身体の奥のほうで、誰かを思い出すような感覚が生まれる。
それは名前のない衝動で、時間の隙間にふっと現れては消えていく。
ただ誰かと寄り添っていたいだけのような、静かな願い。

言葉にならない思いが、そばにあってくれたらいい。
声に出せなくても、名前がなくても、
その存在だけで、心のなかに小さな灯りがともる気がする。

 

そういう夜があっても、いいんじゃないかと思う。
ひとりの自由を抱えながら、誰かを思う気持ちも、そっと並べておけたら。

 

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2025/06/15 23:46
> らいなさん
ありがとう^_^
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2025/06/15 23:26
にゃんこ・・・すご~いです、かわいい~♪
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2025/06/15 21:35
> りりさん
生き物の定めか・・・人の心情か
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2025/06/15 21:12
1人ってすごく気楽ですよね。
何をするにしても自分がやりたい時にやればいい。
気を使うこともない…。
それはそれで心地いいというか過ごしやすいのだけど
何かの拍子でふと思い出すと、自分の心にすっぽり穴が・・・
いつもは隠れて見えないのに、たまに見え隠れ・・・
そう言う感じかなって思いながら読んでいましたよ。




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