さよなら
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/06/25 23:28:45
僕はいつも
何かに見とれながら
生きてきた
僕の心の広場には
たくさんの少年たちが走りまわり
少女たちも歌を口ずさみながら
にぎやかに集まってきた
夢や希望も時にはやってきたけど
見とれているばかりだった
だから
そうやって僕が見とれていたすべてのものが
君になって現れたとき
ぼくはどうしていいのか分からなかった
空は晴れ渡っている
そして妙に何もかもが大切に思えてくる
今まで意識さえしなかったものにも
いとおしさを感じる
心の変化が空をみたす青のように
海を彩る藍のように
すべてを満たして包み込む
君の歩みがとなりに感じられるほど
君の息遣いが僕とリズムを合わせて
まるで輪唱するように・・・
今、僕は見とれていた自分から
分かれ道を選ぼうとしている
素直で気取らない道を歩み出そうとしている
なんのためらいもなく・・・