Nicotto Town








一本の道が向こうからやってくる

私を通り抜けて

彼方へ去るのだろう

そしてまた別の道が

私を貫き続ける

それらがどんなに遠く離れ

うつろにつながれ滅びてかけても

道は十字路の中で静かに重なりあっている

どこまでが十字路であり

どこからが道であるのか

私の卑小な生と

薄暗いこの国の歴史が交錯するときに似て

 

道よ遠ざかれ

私にとって方角にすぎぬものたちよ

おまえたちの行方も知らずに

私は立ちつくし

いつまでも手を広げたまま

静まりかえっている








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