核武装は安上がり?
- カテゴリ:日記
- 2025/08/06 19:14:08
80年もたつと、戦争や核兵器が悪だという前提さえ通じない人が増えてくるようで、参院選では「核武装がもっとも安上がり」と主張して上位当選した候補がいたそうです。
私にはとても安上がりとは思えないので、Grokさんに聞いてみました。
その候補、この件に関して具体的な説明はないようですが、「戦車、ミサイル、ドローンなどの従来型兵器を多数揃えるよりも、核兵器を1つ保有する方が抑止力が高まり、コストが抑えられる」と言いたいらしいです。
まるで核兵器を搭載した原潜が独立国として外交を行う、みたいな話ですね。北朝鮮が核開発で米国と外交を展開できるようになったことも念頭にあるようです。
たしかに「日本は原子力発電の技術を持ち、理論的には核兵器開発が技術的に可能」とされているそうです。しかし、「核兵器の開発にはウランやプルトニウムなどの核分裂物質の確保、濃縮・精製技術、運搬システム(ミサイルや潜水艦など)の構築、実験施設の整備など、莫大な費用がかか」るそうです。
狭い日本で核実験を行える土地などありますか? 太平洋上で実験などしたら、他国の非難は「処理水の海洋放出」の比ではないでしょう。ミサイルどころかロケット打ち上げでさえ失敗続きでは?
だから「過去の日本政府の研究(1968年、1970年、1995年)では、核武装は技術的には可能だが、実験場の不在や米国の核の傘の現実性、システム全体の負担の大きさから非現実的」と結論づけられているそうです。
また、ウクライナで原発が攻撃されたり、イスラエルや米国がイランの各施設を攻撃している例からみて、核施設自体の防衛にもコストがかかります。
「物理的防衛」としての、対空ミサイルシステム、レーダー網、軍事要員の配備、強化された施設構造、の導入・維持には数百億円から数千億円規模のコストがかかります。
「サイバー防衛」や「テロ対策」の含めて、一時的ではなく「継続的運用」のための維持コストも発生するそうです。
Grokさんは触れてないけど、日本の場合、災害も多いしね。
さらに、核武装には様々なリスクが伴うようです。
まず、日本が核武装するためには北朝鮮やインドなどのように「核不拡散条約(NPT)」を脱退するか、イスラエルのように一切公表せずに開発・保有するしかありません。米国、ロシア、中国、英国、フランス以外の国が核兵器を開発・保有することは禁止されているからです。日本が脱退した場合には、国際的な非難や制裁を受けることになります。「日本の貿易依存度(GDPの約30%が輸出入、2023年)を考慮すると、経済的コストは膨大」だそうです。
加えて国連憲章の「 旧敵国条項により、日本が「平和を脅かす行動」を取った場合、国連加盟国が安保理の承認なしに措置(軍事的・経済的)を取れるのです。死文化しているとは言われますが、常任理事国の賛成無しに削除することはできず、法的には有効のまま。今の世界情勢で中国・ロシアが削除に同意するわけがありましょうか?(いや、無い)
つまり日本が核武装したら、中露ばかりかアジア各国がどんな制裁・攻撃を加えないという保証はないわけです。
しかもGrokさんの見解ではその場合「米国が日本を支持する保証はなく、むしろ日米同盟の信頼性が揺らぐ可能性がある」んだそうです!
もちろん 日本には「非核三原則」があり、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」が国是となっており、被爆者団体や平和主義を重視する国民感情の反発が必至です。
核武装の主張など知らずに投票した人が、以後の選挙で投票するかどうか・・・
こうしてみると、安上がりどころか、コストとリスクは随分高くなりそうですね。