Nicotto Town



ある中世ヨーロッパの男性の論文を紹介その3

❝あらゆる悪行は男から始まったが、女性から始まったことはほとんどな いか、皆無である。われわれはアダムの種の中で死ぬ運命となったが、エ ヴァの種の中で生命を受ける。妬みの始まり、最初の殺人、最初の親殺し はみな男から始まったラメクは最初の重婚者であったし、ノアは最初の 酔っぱらいとなった。ニムロドは最初の僭主となった。悪魔たちと初めて 徒党を組んだのも男たちであり、例を挙げればきりがない


男は性に放縦 で、一度に多くの妻をかかえるのに対し、女性は慎み深く、一人の夫で満 足している。有徳な女性も挙げればきりがない。ルクレーティア、カトー の妻マルツィア、グラックス兄弟の母コルネーリア、ウエスタの巫女クラ ウディア、イーピゲネイアなどなど。サムソンやイアーソンの妻、アガメ ムノーンの妻クリュタイムネーストラーは不当に断罪されている。

なぜなら善き夫が悪しき妻を持ったためしはないからである。悪しき夫だけが悪 しき妻を得るのであり、時として悪しき夫は善き妻を得ることがあっても、 夫が彼女を駄目にしてしまうのである。もし女性が法を作り、歴史や悲劇 を書いたならば、男たちの邪悪さの証言でそれらを満たすことになったで あろう。実際、われわれの刑務所は男たちでいっぱいである。殺された男 たちは地上の至る所を埋め尽くしている。しかし、女性は自由学芸artes liberalesと徳と恩恵の創始者である。そのため、《芸術ars》や《徳virtus》 《恩恵gratia》は一般に女性の名前を持っている[女性名詞である]。世界の 隅々までが、その名前を女性から受けている。《アジアAsia》も《ヨーロッ パEuropa》も《リビアLybia》もみなそう[女性名詞]である。  

アブラハムの妻サラについて主なる神は何と言ったであろうか。「神はア ブラハムに言われた。すべてサラの言うことに聞き従いなさい」(『創世記』 21, 12)と言ったのではなかったか。  ガエトゥーリア人(アフリカ北西の民族)やバクトゥリア人(アフガニ スタン北部の民族)その他の民族では、かつて家に留まるのは軟弱な性の 男たちであった。他方、女性は野良に出、家を建て、商談し、馬に乗って 外国に行き、さらには戦争を行なった。カンタブリア人(スペイン北部の 民族)の間では、男たちが婚姻の持参金を妻たちに貢ぎ、姉妹たちがその 兄弟たちを婿に出していた。そして一家の家督は娘たちが継いでいた。ス キュタイ人やトラキア人、ガッリア人の間では、女性は自分たちの権利を 有していた。

しかるに、われわれの社会では、暴君として社会に君臨する 男たちは、神の与えた女性の権利や自然の掟~女性の優位性~を蹂躙し、 女性の自由を法律によって殺し、慣習と習慣によって廃し、教育によって 根絶している。というのも女性は生まれるや、幼い時から何もすることも ないまま無為に家に留め置かれ、それより高度な仕事をする能力が何もな いかのように、針と糸のこと以外何も考えることを許されない。そして思 春期に達すると、男の嫉妬深い帝国に引き渡されるか、尼僧院に永遠に閉 じ込められるかのいずれかである。また女性は公職に就くことが法によっ て禁じられている。

どんなに如才なく周旋しようとも、女性が公開の法廷 で嘆願することは許されない。女性たちは、男たちによって征服者が被征 服民を扱うように扱われている。それも、神の掟によってそうなっている のでもなければ、何らかの正当な理由によってそうなっているのでもない。 単に、慣習や教育、財産に従って、そして暴君たる男の都合に従ってそう 扱われているのである。

 エヴァは失楽の後、男に従属する者となったが、その呪いも、(キリスト の死によって)男が救われたときに取り去られたのである。パウロは《妻 たちは夫に従属すべきであり、女たちは教会で口を開いてはならない》と 述べているが、それはあくまで現世の教会の規律について述べているので あり、神の法を述べているわけではなかった。なぜなら《キリストにおい て男もなければ女もなく、あるのは新しい人間》だけだからである。」

#日記広場:日記

アバター
2025/09/15 14:29
旧約聖書を物語と読むのは面白いが 日本神話 日本書紀はそれ以上におもしろいです




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.