スターダム ~光と影
- カテゴリ:自作小説
- 2025/09/27 17:36:30
これは私が今書いている長編の番外です。 また非現実的な部分など私の勝手な想像で書いてますが容赦ください。
山岸千恵子、まだ幼い頃両親を交通事故で亡くし遠縁の青森に住む伯母夫婦の下に引き取られて何不自由なく育った。
千恵子には一人少し離れた姉がいる。その姉は中学校を卒業するとすぐ東京へ出てしまった。伯母夫婦は寛大で千恵子たち姉妹を自由に育てていた。
姉が東京へ出る、芝居をやりたいと言った時も何くれと面倒を見、世話をしてくれた。その姉はいつか某劇団の俳優養成所に通い、いつしか女優になっていた。
気が付いた時姉は幸運に恵まれスターダムを真っすぐ上りつめていた。
それでも時折千恵子たちに連絡をくれていた。
千恵子は中学生になり、やはり芝居好きの女の子になっていた。それは決して姉とは関係ない自身の願望だった。
そんなとき突然衝撃が襲った。女優としていつしかスターダムになっていた姉が舞台で上演中、照明の落下事故にあい、大怪我をしたと…
伯母夫婦は、すぐ上京、姉につきっきりで介抱し、世話をした。
命は免れたものの、女優としての生命を絶たれたショックで姉は突然姿を消してしまった。その時も、伯母夫婦は懸命に関係者と共に姉の消息を探し続けていた。
千恵子は初めて姉の存在、姉について何も知らないことに思い知らされ、また千恵子なりに苦しんだ。
注手改めて女優になろうと決心、伯母夫婦の許可を得、親しくしていた姉のマネージャーの紹介を得て某劇団の俳優養成学校へ。
姉のマネージャーをしてい高岡は今は司法の仕事していたが、その一方で依然として姉の消息を探していた。
その1年後突然姉の消息が分かった。と千恵子に伝えた。
夏休みを機に自分も一緒に、と頼む千恵子を残し、高岡は単身姉が見つけたと後いう長野へ…
夏休み待望の再開、ためらい、渋る姉を説くが… 姉は長野山奥で小さな療養所の医師の手伝いをしていた。華やかな女優生活から離れた地味な生活…いささか想像を絶していた。
その姉が説き伏せられて千恵子の元へ戻ってきた。
今は敢然と芸能界から縁を切り、ごく普通の生活に入り…親しくしていたマネージャーの高岡と当然結婚した。ちょっぴり淋しさを隠しきれぬ千恵子だったがあるがままに受け入れ、今は姉妹仲良く暮らしている。なぜなら千恵子は少し高岡に恋していたから。
その千恵子は女優としての道を着実に歩き出していた。
姉と妹の光と影である。