Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


運命の糸の先


第二章

レンは私と距離を取りながら眠っていた。…あ、昨日の…確か…レンだよね?と私はどうやって帰宅したのかの記憶が曖昧な儘、レンが送ってくれたのかな…と思い出せない記憶を辿っていた。彼はぐっすりと眠っていて、私に指1本も触れなかった。自堕落な生活の中で初めての人に出逢ったな、と煙草へと火を点けた。私はどこかしら、レンに安心感を抱き…朝ご飯でも作ってみようかな…と思い始めていた。家にあった食パンでホットサンドでも作ろう、そう思い立ち、私はキッチンへと向かった。…確か、ハムもチーズもあった筈…冷蔵庫を漁り始めた私は、丁度4枚残っていたパンにマヨネーズを塗り始めていた。あっという間にホットサンドが出来上がる頃、レンは…「んんん…」と起きて来た様子だった。…「あ、レン?起きた?おはよ」…「ん…アオネさん、おはよ…」と会話が始まった頃、…「今朝ご飯作ってるんだけど、食べれそう?」…「え?マジ!?」と嬉しそうに…「食べたい!」と満面の笑顔で喜んでくれる彼がいた。…「良かった…2人分作ってたから」と私はにこやかに答えた。自堕落な生活の中でこんな朝を迎えた事は初めての事だった。…「レン?私昨日の事良く覚えてないんだけど、レンが送ってくれたの?」と尋ねると、…「うん、アオネさん家聞いたら近かったから送り届けた!」とにこやかに且つ爽やかに笑う彼に安心感を抱くにはそんなに時間は掛からなかった。…「そう、ありがとね」と彼へと感謝の旨を伝えた私だ。…「一緒に朝ご飯食べよ」と彼を誘う。彼は嬉しそうに…「ありがと!取り敢えず煙草だけ吸わせて」と言って…「ベランダ出るね」そう言い、ベランダへと出て煙草へと火を点けていた。私の小さなサイズのベランダ用のスリッパを履いていた。彼の背後へと座り、私も一緒に吸う事にした。…「スリッパ小さくない?…ふふふ」と笑い掛けると、…「少しだけ…はは」と笑っていた。2人の煙が混ざり合う頃、…「さ、そろそろ朝食にしようか」と声を掛けた。初めてSEXしなかった男性と朝食を採る私は少しばかり躊躇いもあったのかも知れない。…こんな朝初めてだ…そんな風に思う他なかった。朝にはいなくなる男性ばかりだったからかも知れない。

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