Nicotto Town



クリスチャンにはごめんなさいだが二次創作した④

450人もの大隊を組んでやってきたバアル神の預言者集団を前にしても

エリヤは全く動じませんでした。
そしてエリシャも師匠の横で静かに佇んでいました。

「無能が何百匹いても無様なだけだな」

エリヤはそしてエリシャの耳元に何事か囁きました。

アハブ王の預言者集団は太鼓やシンバルを打ち鳴らし、縦笛をあらんかぎりの
力で吹いて大騒ぎしていました。
彼らの両耳にはじゃらじゃらと三日月型のヒスイのイヤリングが下がり
ダチョウの羽飾りが禿を飾って風に揺らめいていました。
そして皆、派手な緋色や青の撚糸で織られた長い衣を纏い踊り狂っていました。

ドンドンジャンジャン ドンドンジャンジャン

いよいよ大騒ぎもクライマックスかと思われたその時です。
下僕によって担がれた豪華な玉座に座っていた人物が、そう、アハブ王が下僕に
合図し地面に降り立ったのです。
宮廷長官オバデヤがそれを横目で素早く見てシンバルを一際大きく叩きました。

「皆の者鎮まれ!これから王の御前で真の神を競わせよう!我々は必ず勝利し
そこにいる愚か者に神罰を与えるのだ!!」
オバデヤが大声で叫びました。
するとエリヤは自信たっぷりに「あなた方はこれだけの人数で準備も大変でしょう
からお先にどうぞ」と言い放ちました。
オバデヤは準備が整ったのを確認し、王の前に恭しく拝礼しました。
「我が君、準備は整いました。どうぞ御宣言を」

アハブ王はオバデヤを一瞥すると、いかにも勿体ぶるかのように大袈裟に手を
振り上げ命じました。
「真の神ならば薪に火をくべずとも祭壇の上の雄牛は焼き尽くすであろう!
始めよ!!」

そして一体どれくらいいるのか、傍で控えていた大勢の下男たちがわらわらと
集まり、手慣れた手つきで石を積み始め瞬く間に祭壇を築きました。
そして腰の辺りまで高く積まれた石の祭壇の上に薪を積んで、二つに裂いて屠った
ばかりの雄牛を乗せました。


呆れた事に450人の集団は「バアルよ応えたまえェ」などと叫びながら
ぐるぐると回って踊り狂うだけなのでした。

エリヤはそれを見て首を振りつつ一言呟きました。
「我々はこの馬鹿げた騒ぎを見物しつつお茶でも飲もうとしよう」
それを聞いたエリシャが持参した羊毛の敷物を広げると、エリヤはその上に
ドカっと座り、二人は茶器を広げティータイムを始めたのでした。

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