1. 霧
- カテゴリ:日記
- 2025/11/13 00:58:04
0. 終わりの始まり。
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毎日お互いに、それこそ話さない日は無かった。
でも私も彼もどちらも、お互いを深く知っているわけではなかった。
当たり前の事で、恐らく何か気が合う様な感覚がして私を相方にしたいと思ってくれたのだと思う。
今だからそう考えられる、結果論でしかない事。
だけれど当時の私にとっては彼の心の中は霧に包まれているようで見えなかった。
本当に私だけがそう思っていたのだろうか。
「Lycorisって何考えてるかわからない時があるよな」
この言葉は定期的に彼が私に伝えてくる事だった。
もしかしたら彼も私が霧の様に見えていたのかも知れない。
共に過ごした時間が積み重なっていけば行くほど、お互いの人物像は脳内で完成されていく。
そのはずだった。
けれど私と彼はその時はまだ互いに霧を掴もうとしていた。
私は勉強でもゲームでも仕事でも、100点満点中の80点以上を出す事を信条にして生きてきた。
そして彼と出会った場所はゲームである以上、私はそのゲームの中で強さを求めていた。
今も昔も何故かゲームで強い人は人気者になれるのだ。
だから私はゲームの中で強さを求めた。
自分の心の弱さを守る為に、ゲームの中だけでも人気者になりたい、強くなりたい。
そう願っていた。
それが相方である彼と私の最初の喧嘩のきっかけだった。
「Lycorisは強くて良いよな」
と言われた時に私は、彼は私が強くなるまでの過程を知らないはずではないだろうに何故その様な事を言ったんだ。
そう思ってしまった。
「僕はゲームでも全力でやってるから強くなっただけ。強くなる努力をしなかった◯◯に言われたくはない。」
思えば、彼が努力している可能性を考えていなかった。
ゲームで努力と言うと、もしかしたら滑稽に思う人もいるかも知れない。
いや、実際にそうだったのだと思う。
喧嘩する事になって、少しだけ霧が晴れた。
彼は私に対して置いていかれる不安を感じていたのかもしれない。
もしかしたら彼は私と同じで、誰かに必要とされたかったのかも知れない。
でもそれはこの時点ではわからなかった。
そして私は強くなる事でそれが砂の城だとしても、それを得る事によって人から認められるかも知れない。
でも私は誰に認められたいのか、ただ人にちやほやされればそれで満足するのか。
これはその時はわかっていなかった。
だからこれはお互いに信頼しあえていなかったから。
そしてお互いに理解する為に必要だったから。
初めてお互いに本音を言い合った時だった。
他人じゃない、友達でもない。
もしかしたらこの人なら、と期待をしたからだった。
私の中で彼をその時にやっと「相方」だと思えた。
お互いに本音を言い合って、仲直りをして、そしてその時に初めて私は彼と深い霧の中を手を繋いで歩いていこうと決めた。
























