Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


嘘の陰影


第九章

二人して笑い合った後、…「優美、明日休みか?」と聞かれ…「うん、休み」と答えた。
…「今日…俺の部屋に泊まってく…か?」と彼は言い、続けて…「やらしい事はしねぇけど…なんつーか…優美と一緒に眠りたくなって…さ」と先程佑真と恋人になった私は…「う、うん…良いけど…」お互いに緊張しながらも「恋人」らしい事をする事に何だか不自然さも交じりつつ、…「何か…今迄にねぇくらい緊張してるわ、俺…」と彼は言っていた。…「私も…緊張してる…」…「ははは…こんな事今迄無かったからな」と彼は笑っていた。…「ほんとだよね…ふふふ」…「何か…変な感じ…」と私は彼へと伝えた。…「これからゆっくり二人で恋人らしい事してこーぜ、な?」と私の顔を両手で覆って優しいキスをしてくれた。…「うん…」恥ずかしさのあまり下を向いてしまった私に対し、…「優美、俺の事ちゃんと見て」と真剣に言う彼に、彼を見つめ直し、深呼吸をしさっき私にしてくれた様に彼の顔を両手で覆いキスをした。…「優美ってすげー…なんつーか…優しいキスしてくれるんだな」…「それは佑真もだよ」…「そうか?」とお互いにまた笑い合った。彼からは辛かったであろう過去を笑った時に見た靄から一切の靄が見えなかった。…「ちょっと煙草でも吸うか」と彼は私を誘う(いざなう)。…「うん」お互いに煙草に火を点けながら、彼も深呼吸しているかの様にゆっくりと煙を吸っていた。…「俺さ、優美に初めて彼氏が出来た時正直嫉妬で狂いそうだったんだよな」…「え?そうなの?」二人の煙が交じり合う中、昔の話をしていた。「お、おう」…「そんな事言ったら私だって佑真に初めて彼女が出来た時複雑だったよ」…「…私の佑真なのにって…」…「それ、俺も思ってたわ」…「同じ様な事考えてたんだな…俺ら」…「そうだね、私は自分の気持ち押し殺してたし、佑真初めて彼女が出来た時嬉しそうだったから」…「まぁ、若気の至りってやつだな、告白されて舞い上がってたんかも」…「そっか…でも佑真モテてたからね、実際の所」…「そうか?そんな事言ったら優美もモテてたぜ」…「いつも友達の間で望月ってかわいーよなって話題出てたしな」…「うそだぁ」…「いや、これマジな」…「佑真も女子の間では新藤くんカッコイイよねって話題良く出てたなぁ」…「昔っから俺らって惹かれ合ってたんだなぁ」としみじみと言う彼に…「ねぇ、佑真?」…「ん?」…「好きだよ」…「すげーはっず…ははは」…「俺も好きだぜ、優美」…「これはマジで思うんだけどな、一生大事にしてーと思ってる」と真剣な佑真の顔は凛々しくも美しくもあった。…「ありがとう、佑真」…「私も佑真の事一生大事にしたいと思ってる」…「さんきゅ、優美」そうして二人で抱き合いキスを交わした。

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