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悲しみの遠景 —冬桜—

季節外れの狂い咲きだと
誰かが肩をすくめて通り過ぎる。
だが、凍てつく風に耐えるその花弁は
返り血よりも白く、静かだ。
温もりを捨てた枝の先
掌にこぼれ落ちたのは
雪か、それとも散り際の火花か。
報われることのない忠義のように
枯れ色の中に、一点の意地を置く。
遠ざかるほどに、鮮明になる。
あの日、守れなかった約束も
この冬桜のように
ただ黙って、寒空を睨んでいた。

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