硝子のライター
- カテゴリ:日記
- 2026/03/24 11:01:09
放課後の校舎裏は、いつも湿った土と
誰かが隠れて吸った安い煙草の匂いがした。
俺たちは、使い捨てのライターのように
火を灯す場所を探しては、空回りしていた。
誰かが隠れて吸った安い煙草の匂いがした。
俺たちは、使い捨てのライターのように
火を灯す場所を探しては、空回りしていた。
「遠くへ行こう」
隣で彼女が言った言葉は、
排気ガスに混じって消えた。
約束なんて、撃ち尽くした後の空薬莢(からやっきょう)ほどにも
価値がないことを、俺たちはまだ知らなかった。
隣で彼女が言った言葉は、
排気ガスに混じって消えた。
約束なんて、撃ち尽くした後の空薬莢(からやっきょう)ほどにも
価値がないことを、俺たちはまだ知らなかった。
ボロボロの単車で切り裂いた夜風は
ナイフのように冷たく、鋭い。
バックミラーに映る街の灯りは、
涙で滲んで、ただの光の屑になった。
ナイフのように冷たく、鋭い。
バックミラーに映る街の灯りは、
涙で滲んで、ただの光の屑になった。
あれから、どれだけの月日が流れたか。
酒場で見かける若者たちの、無防備な背中を見るたび、
俺は飲みかけのバーボンを回す。
酒場で見かける若者たちの、無防備な背中を見るたび、
俺は飲みかけのバーボンを回す。
青春とは、二度と戻らない場所への片道切符だ。
ポケットには今も、
あの頃火がつかなかった
錆びた硝子のライターが、眠っている。
ポケットには今も、
あの頃火がつかなかった
錆びた硝子のライターが、眠っている。



























