国際客船ターミナル悲歌
- カテゴリ:日記
- 2026/04/05 20:50:31
坂の街が吐き出した溜息が、石畳を濡らしている。
長崎港、松が枝。
かつて「鶴の港」と呼ばれたこの場所は、
今じゃ、誰かの夢を切り裂く、鋭い嘴(くちばし)のようだ。
長崎港、松が枝。
かつて「鶴の港」と呼ばれたこの場所は、
今じゃ、誰かの夢を切り裂く、鋭い嘴(くちばし)のようだ。
「オランダ坂」を転がり落ちた未練が、埠頭に溜まっている。
大型客船の白い船体は、闇夜に浮かぶ巨大な墓標。
出航を告げる汽笛が、女神大橋の向こう側で
消えちまった女の、掠れた呼び声に変わる。
大型客船の白い船体は、闇夜に浮かぶ巨大な墓標。
出航を告げる汽笛が、女神大橋の向こう側で
消えちまった女の、掠れた呼び声に変わる。
コートのポケットで、ライターが冷たく指に触れた。
思案橋のネオンで焼いた偽りの情熱も、
この潮風に晒されりゃ、ただの灰だ。
思案橋のネオンで焼いた偽りの情熱も、
この潮風に晒されりゃ、ただの灰だ。
精霊流しの鐘の音が、耳の奥でまだ鳴っている。
流せなかったのは、麦藁の船じゃない。
独り残された、俺という名の抜け殻だ。
流せなかったのは、麦藁の船じゃない。
独り残された、俺という名の抜け殻だ。
ここは長崎、松が枝国際ターミナル。
異国の香りに惑わされ、坂道の迷路で明日を失う場所。
雨が降り始めれば、すべては青いブルースに溶けていく。
夜明けを待つのは、もうやめた_
異国の香りに惑わされ、坂道の迷路で明日を失う場所。
雨が降り始めれば、すべては青いブルースに溶けていく。
夜明けを待つのは、もうやめた_

























