Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



無題_

灰色の氷割り


ウイスキーのグラスに放り込んだのは
昨日まで信じていた、たった一つの正解。
カランと鳴った音は、誰の救いにもならない。
溶け出したのは、無意味という名の透明な毒だ。
飲み干せば、喉が焼ける。
それでも俺たちは、乾きを癒やす方法を他に知らない

さよならの射程距離

銃声は聞こえなかった。
撃ち抜かれたのは、俺の背後にある過去の方だ。
街の明かりは、誰かがこぼした安っぽい希望の飛沫。
靴底に張り付いた孤独を引きずって
俺は、出口のない迷路を正しく歩く。
答えなどない。あるのは、風が止むまでの時間だけだ。

虚無のトレンチコート

襟を立てるのは、寒さのせいじゃない。
世界からこぼれ落ちる視線が、痛すぎるからだ。
哲学者は「存在」を語り、俺は「不在」を数える。
吸い殻が灰皿で果てる瞬間
宇宙の端っこで、小さな意味が死んだ。
俺はマッチを擦り、また一つ、暗闇を飼い慣らす。

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