おすすめの本は?
- カテゴリ:今週のお題
- 2026/04/07 04:48:24
吉本ばななさんの「哀しい予感」
「その古い一軒家は駅からかなり離れた住宅街にあった。巨大な公園の裏手なのでいつでも荒々しい緑の匂いに包まれ、雨上がりなどは家を取り巻く街中が森林になってしまったような濃い空気が立ち込め、息苦しいほどであった。」
の出だしで始まる弥生の物語。
幸せな家庭で育った弥生に、欠けているのは幼い頃の記憶。導かれるようにやってきたおば、ゆきのの家で、泣きたい程なつかしく、胸にせまる過去の想い出が蘇る。
いくつもの啓示を受けるようにして古い一軒家に来た弥生。そこでひっそりと暮らすおば、音楽教師ゆきの。彼女の弾くピアノを聴いたとき、弥生19歳、初夏の物語は始まった。
本書は、19歳の弥生という女の子が主人公です。彼女は医師の父、看護師をしていた母、高校生の弟との4人家族で、羨ましいほど幸せな仲良し一家です。しかし弥生は自分の中に、何か説明できない気持ちを抱えています。幼少期の記憶がまるでなかったり、男女の姉弟としては考えられないほど弟と仲が良かったり。
自分は大事なことを忘れているのではないだろうか…。弥生は理由もなくふらりと家出をしたりしてしまいます。
そんなある日、また家出をして叔母・ゆきのの家に泊まりに行っていた弥生は、彼女が叔母ではなく実の姉だということを知ります。弥生は幼い頃、今の家族に養女として迎えられていたのです。そして翌日、ゆきのは突然どこかに行ってしまいます。
ゆきのを追って軽井沢に来た2人でしたが、いまだ彼女を見つけられません。
その夜、2人は散歩に出ます。そこで会話をする中で、実の姉弟ではないことを哲生はすでに知っていたと聞かされます。驚き、なぜだかふわふわして、弥生はどうしたらよいかわからなくなります。
そしてふいに、哲生が弥生を抱きしめます。
弟から感じられる、懐かしくて大好きな自宅の匂い…。切なくなり、涙がこぼれそうになってしまう弥生。
仕方なく顔を上げると、哲生の長い睫毛に囲まれたダイヤモンドのように綺麗な瞳がこちらを見つめています。
それがあまりに悲しげに輝いていたので、弥生は思わず瞳を閉じます。
という、一見、何の変哲もない初夏の爽やかラブストーリーですねw
落ち着くとこ落ち着いてくれてホッとするっていうか。。。
でも、とっても切ない描写で書き綴られていて素敵な大好きな一冊となっております☆

























