Nicotto Town ニコッとタウン

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忘却の彼方へ

古いレコードが溝をなぞる音と
琥珀色の液体が喉を焼く熱さ
それだけが、この部屋の沈黙を肯定してくれる
かつて守り抜こうとした約束も
胸に刻みつけたはずの痛みも
時間のやすりに削られ
滑らかな無へと変わっていく
窓の外、ヘッドライトの列が
遠い銀河のように流れては消える
あの中に俺の居場所はもうないし
誰かが俺を待っているはずもない
「忘れる」んじゃない
ただ、世界から少しずつ
自分という存在を削ぎ落としているだけだ
飲み干したグラスの底に
最後に残った氷の欠片
それが溶け切る頃には
俺の名前さえ、風に溶けていくだろう
振り返るな
光も影も、すべてはまどろみの中
忘却の彼方へ_

#日記広場:人生




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