Nicotto Town ニコッとタウン

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暁の波止場

潮騒に混じるのは、安煙草の煙と湿った鉄の匂い。
消え残る街灯が、石畳に這いつくばる影を長く引き延ばしている。
別れの言葉は、夜の帳の中に置いてきた。
ただ、コートの襟を立て、水平線の彼方が白むのを待つ。
波止場の杭(ボラード)に足をかけ、
冷え切った指先をポケットの奥で休めた。
孤独の味は、昨夜の安ウイスキーよりもずっと苦い。
水平線が薄紫に裂け、冷たい光がコンクリートを刺す。
今日という日が、また一つ、隠された真実を暴きにやってくる。
背を向け、長く伸びた影を置いて歩き出す。
夜明けの風は、誰の言い訳も聞き入れはしない。

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