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鋼鉄のブルース — エタへの鎮魂歌2

ネオンが雨に濡れる街の片隅
かつて「At Last」と囁いた声は
今、煙草と白血病の煙に巻かれ
かすれた記憶の底へ沈んでいく
認知症という名の泥棒が
ピアノの鍵盤を一つずつ盗み去り
ブルースの女神は、
自らの名前さえ思い出せない
「おい、そこのピアノを鳴らしてくれ」
そう呟こうとして、喉が焼ける
白血病の針が、骨髄を刺し貫く
痛みだけが、これが現実だと囁く
裏切り、愛、薬、そして孤独
ステージの上では女王だったが
今、白いベッドは、冷たい檻だ
思い出は、古ぼけたポスターのように色あせ
ファンたちの歓声は、遠い波の音
それでも、瞳の奥の黒い炎は消えない
最後のブルースを歌うため
痛みと霧の中を、這ってでも進む
愛した男も、裏切った男も、皆消えた
残ったのは、魂の叫びと
錆びついたマイクだけ
誰も私を支配できない
病魔も、時間も、記憶の欠落も
私がエタ・ジェイムズだ
最期まで、この魂はブルースそのもの
…さあ、照明を落としてくれ
ステージへ戻る時間だ
今、霧が晴れ、
あの歌が聞こえてくる
At last...

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