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悲しみのDeep River2


バーボンの空き瓶が、デスクの隅で重荷を下ろしたように転がっている。
午前3時。街の騒音は消え、残ったのは俺の吐息と、止まった時計の音だけだ。
彼女はもういない。
「深い川」に、すべてを流しちまったみたいに。
トレンチコートの襟を立てても、凍りついた孤独は防げない。
あいつが残した煙草の匂いが、窓から入り込む冷たい霧に溶けていく。
ただ、感情を押し殺して生きるのが、ここでのルールってだけさ。
Deep River。
過去と現在を分かつ、見えない濁流。
そこに飛び込んだ奴は、二度と戻ってこない。
愛も、裏切りも、希望さえも。
すべては、あの冷たい水の底へ。
俺は最後の煙草に火をつけ、灰皿の中でくすぶる過去を見つめる。
涙はとっくに枯れた。
残されたのは、ただ、静かな悲しみだけ。
……さあ、朝が来る。
物語の続きを、またこの荒野で始めようか。
Deep Riverが、俺の背中を見つめている。

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