琥珀の中の残骸
- カテゴリ:日記
- 2026/04/18 22:51:11
重いドアを押し開けると、安っぽいジャズと、
誰かが吐き出した過去の匂いが混じり合っていた。
カウンターの隅、止まり木に腰を下ろし、
指先で氷を転がす。
誰かが吐き出した過去の匂いが混じり合っていた。
カウンターの隅、止まり木に腰を下ろし、
指先で氷を転がす。
「春の星屑を、一杯」
冗談のつもりで頼んだが、
バーテンは眉ひとつ動かさず、
琥珀色の液体をショットグラスに注いだ。
冗談のつもりで頼んだが、
バーテンは眉ひとつ動かさず、
琥珀色の液体をショットグラスに注いだ。
グラスの底で、砕かれたクラッシュアイスが光を弾く。
都会の空から振り落とされた星の死骸も、
こうして冷やしてしまえば、ただの飾りにすぎない。
喉を焼くアルコールだけが、
唯一、俺が生きていることを証明していた。
都会の空から振り落とされた星の死骸も、
こうして冷やしてしまえば、ただの飾りにすぎない。
喉を焼くアルコールだけが、
唯一、俺が生きていることを証明していた。
「季節が変わりますね」
隣の男が、使い古された挨拶を投げてくる。
俺は答えず、代わりに煙草の煙を吐き出した。
春が来たからといって、
失ったものが戻ってくるわけじゃない。
ただ、痛みの輪郭が少しだけ、ぼやけるだけだ。
隣の男が、使い古された挨拶を投げてくる。
俺は答えず、代わりに煙草の煙を吐き出した。
春が来たからといって、
失ったものが戻ってくるわけじゃない。
ただ、痛みの輪郭が少しだけ、ぼやけるだけだ。
隣の席の飲み残し、ソーダの気泡がはじける音。
それが、砕け散った星たちの最後の叫びのように聞こえた。
俺たちは皆、このカウンターという名の岸辺に打ち上げられた、
季節外れの漂流物。
それが、砕け散った星たちの最後の叫びのように聞こえた。
俺たちは皆、このカウンターという名の岸辺に打ち上げられた、
季節外れの漂流物。
最後の一口を飲み干し、
コースターの上に数枚の紙幣を置く。
店を出れば、そこにはまた、
春特有の、あの落ち着かない闇が広がっているはずだ。
コースターの上に数枚の紙幣を置く。
店を出れば、そこにはまた、
春特有の、あの落ち着かない闇が広がっているはずだ。
「あばよ、星屑ども」
心の中でそう呟き、
俺は一度も振り返らずに、止まり木を降りた。
俺は一度も振り返らずに、止まり木を降りた。


























