Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



腐った温室の密談


「あなたの苦しみ、私にはよくわかります」
役者が、安っぽいビロードの声を出す
「そんなこと言ってくれるのは、あなただけだ」
観客が、期待通りの涙を、期待通りのタイミングで流す
ああ、美しい地獄絵図だ
役者は「慈悲深い自分」という役柄(ロール)に酔いしれ
観客は「理解される特別な自分」という幻想に縋り付く
二人とも、相手のことなんて一ミリも見ていない
ただ、自分を映し出す「都合のいい鏡」として、相手を利用しているだけだ
「思慮深さ」を演じる役者は、知的なフリをして言葉を濁し
「感受性豊か」を装う観客は、溜息を吐いて共感をねだる
中身のない者同士が、空っぽの器をぶつけ合って
「カラン」と虚しい音を立てるのを、彼らは「魂の共鳴」と呼ぶ
「無理しなくていいんですよ」
「本当のあなたは、もっと……」
その先を言う必要はない。結末は決まっている
二人は「思いやりごっこ」という名の無菌室に閉じこもり
現実という名の鋭利なナイフから、必死に目を背け続ける
無能と無能が手を携え、どん底へ向かってゆっくりと歩いていく
一方は導くフリをしながら、もう一方は従うフリをしながら
その足元で、時間は確実に腐り落ちていくというのに
「素晴らしい対話でしたね」
彼らがそう言って握手を交わすとき
そこには救いも、変化も、真実もない
ただ、湿った沈黙と、増長した自己愛が
霧のように部屋を埋め尽くしているだけだ
俺は、その部屋の鍵を外側から閉めてやる
そのまま、永遠に「思いやり」の共食いを続けていればいい
外はひどく冷たいが、少なくとも、そこには嘘のない死があるだけだ_ 笑止千万

#日記広場:ココロとカラダ




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