Nicotto Town ニコッとタウン

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静かな湖畔の宿にて

窓をひらけば あかるい五月の風が
銀色のさざなみを 部屋へと運んでくる
僕はしずかに 一冊の古い本を閉じて
まだ見ぬ明日の 夢のつづきを反芻する
藍色の湖面に 映る雲の白さが
あまりに儚く あえかに揺れているので
僕はひととき 自分の名前さえ忘れて
透明な空気のなかに 溶けてしまいたいと思う
しあわせは いつも遠い風のささやき
追分(おいわけ)の径(みち)を 誰がゆくのだろう
あかい屋根の家が 木立の向こうに見える
小鳥のさえずりが 不意に途切れたあとの
この深い静寂(しじま)を 何と名付けよう
僕はただ やさしい孤独に身をゆだねている_

#日記広場:小説/詩




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