Nicotto Town ニコッとタウン

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ひとつの言の葉

ひとつの言の葉をちぎつては風に放つ
それは青い空の涯にきえてしまふのだらうか
それとも誰かの耳朶をかすめて
遠い日の記憶をふたたび蘇らせるのだらうか
わたしはまつすぐに歩きつづけていた
いつかのやうに夕映えのなかで口笛を吹きながら
道は草に埋もれ 雲はちぎれてながれ
すべてはうつろふ影のやうであったのに
あなたのうたふ調べはいつも
さびしいわたしの指の隙間からこぼれおちる
あの日の夢も あのときの約束も
言霊はひとひらの花びらのやうに舞ひあがる
ふたたびめぐりくる季節をしづかに見まもらう
もうなにも失ふまいと目を閉ぢれば
言の葉はふたたび胸のなかで息づき
やがてあたたかい光のなかへとかへつてゆくのだ

#日記広場:小説/詩




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