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心の灯、昭和初期仮名遣い


_昭和初期仮名遣い_

雨はしとしとと 暗き窓(まどひ)を濡らし
遠き寺の鐘 はるかに響きわたる
わが部屋のみぞ 寂しくとり残され
小さきともしび しづかに揺らぎをる
ここにはもう 誰も来ぬなれば
優しき思ひ出も 雨の音に消えゆき
ただ灰色の闇のみ 部屋に満ちすすめば
われはひとり 冷たき時を生きてあり
されど 胸の奥の小さき部屋には
いまだ消えざる ひとつの灯(ともしび)あり
それはいつか失ひし 優しき光なれ
鐘の音は 夜のなかに溶け去りて
すべてが暗闇に 沈むとも
われはただ この心の灯をみつめをる

#日記広場:小説/詩




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