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秋風の告白

僕は、やっぱり、だめな男でした。
神様からいただいた大切な命を、
おもちゃのように、お部屋の隅でいじくりまわし、
とうとう、壊してしまったのです。
世間の皆様の、あの、正しい足音が聞こえます。
「しっかりおしよ」と、
路地裏の泥水のなかから、
誰かの、冷たい声が聞こえます。
ああ、ごめんなさい。
僕は、ただ、寂しかっただけなのです。
愛されたくて、
愛されたくて、
道端の犬の真似をして、おどけてみせたら、
みんなは、僕の頭を叩きました。
僕の心のなかには、
一匹の、痩せこけた、黒い猫が住んでいます。
夜が来ると、
僕の胸の障子(しょうじ)を、
その鋭い爪で、カリカリと引っ掻くのです。
「お前は、嘘つきだ」
「お前は、人間の資格が無いのだ」
テレザ、泣かないでおくれ。
君の白いハンカチを、
僕の、この、汚れた涙で濡らしたくはない。
僕は、君の優しさが、
まるで、冷たい剃刀(かみそり)の刃のように、
この胸の奥に、深く、突き刺さるのを感じるのです。
サビナ、どこへ行ってしまったの。
僕たちは、同じ、
落ち葉の船に乗った、哀れな旅人だったのに。
君の冷たい笑い声だけが、
いまも、僕の耳の底で、
ちりん、ちりんと、悲しく響いています。
もう、およしなさい。
お説教も、言い訳も、すべては終わったのです。
僕は、夕暮れの、
あの、薄紫色の空気のなかに、
すうっと、溶けて消えてしまいたい。
さようなら。
僕の、いちばん愛した、
重たくて、苦しい、この世界よ。

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