カッコつける私と、素の私
- カテゴリ:日記
- 2026/06/14 11:30:14
カッコつける私が背伸びをする。
その人の気配に、胸の奥がざわつく。
声のトーンが勝手に変わる。
普段の私が知らない私が前に出る。
落ち着け、とカッコつける私が言う。
無理だよ、と素の私は返す。
手汗だけが正直だ。
歩き方がぎこちなくなる。
自然に、自然に、と唱えるほど不自然になる。
モデル気取りの私と、ただの私が身体を取り合う。
会計の瞬間、レシートがこぼれ落ちる。
これは演出だ、とカッコつける私。
どんな演出だよ、と素の私が笑う。
その笑いだけが今日いちばん自然だ。
メッセージを打つ指先が慎重になる。
いつもより丁寧で、いつもより“らしくない”。
その“らしくなさ”に救われる私がいる。
良く見られたいんだよ、とカッコつける私。
知ってるよ、と素の私。
その会話が胸の奥で続いていく。
背伸びした私も、等身大の私も、どちらも私。
どちらも嘘じゃない。

























