Nicotto Town ニコッとタウン

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石の街の記憶


古い窓からは 港の波がみえた
きみはしづかに 絵の具の箱をひらき
見慣れたレンガの 翳(かげ)るゆくへを
だまりながら ただ見つめていた
人びとの声は 風のやうに通りすぎ
坂道には つめたい雨がふりそそぐ
食べるための日々の にがさのなかで
きみはひそやかに 光をあつめていた
いまはもう 筆をおいた部屋のなか
まぶたを閉じれば あざやかにひらく
あの夏の日の 白くかがやく尖塔(せんたふ)
それはだれも知らない きみだけの画集
こころのなかに建つ 美しい幻影(まぼろし)
夕暮れの街に やさしくあかりが灯る_

#日記広場:小説/詩




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