だれもない部屋のオルゴール
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/06/19 21:28:57
夜はしづかに 部屋をみたし
あなたのいない椅子の背に
うすい闇が よりかかつている
机のすみの 小さなオルゴール
だれの手もかりずに いま
ねぢがゆるむやうに 歌ひだす
あなたのいない椅子の背に
うすい闇が よりかかつている
机のすみの 小さなオルゴール
だれの手もかりずに いま
ねぢがゆるむやうに 歌ひだす
ちひさな ちひさな 銀の音色
それはむかしの あかるい唄
けれど だれもきくひとのない部屋で
音符はひとつづつ こぼれおち
冷たい床のうえに 消えてゆく
それはむかしの あかるい唄
けれど だれもきくひとのない部屋で
音符はひとつづつ こぼれおち
冷たい床のうえに 消えてゆく
窓辺のガラスに 夜霧がふれて
世界はすつかり とざされた
ああ このかなしいメロディは
かつて紅(あか)く燃えた日々の
なつかしい なつかしい足音のやうに
いつまでも いつまでも響いている
世界はすつかり とざされた
ああ このかなしいメロディは
かつて紅(あか)く燃えた日々の
なつかしい なつかしい足音のやうに
いつまでも いつまでも響いている



























