Nicotto Town ニコッとタウン

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風と追憶つゐをく 雨の停車場1

煙(けむ)る五月の 雨のなかを
ひとつの列車(れつしや)が 遠ざかつてゆく
君を見送りし 灰色のホオムには
ただ冷たき 水たまりの光りて
僕らのあひだを 流れたる時間は
いつも少しだけ 翳(かげ)を帯び
さよならの 一言(ひとこと)さへ
外套(ぐわいたう)の隠しに 収めたるままなりき
されど 傘をすぼむれば
あの日の青き 記憶(メロヂイ)の甦(よみがへ)る
それは けつして消ゆることなき
僕らの、小さき約束
君は 車窓(まど)のむこうで気づきしたらうか
濡れたるベンチに ぽつんと残されし、あの白き花に

#日記広場:小説/詩




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