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風と追憶つゐをく長崎(みなと)の坂道3

石畳(いしだたみ) 濡れたる坂を
ひとり登れば 異国の薫(かお)り
海のひろが(が)る 崖(がけ)の上(へ)には
ただ群青(ぐんじやう)の 夜(よる)の迫りて
遠き汽笛の 掠(かす)れたる声
船の灯(ともしび) 窓にまたたき
さよならの 代(か)はりの接吻(くちづけ)を
あの日 潮風(かぜ)に奪はれたるままなりき
されど 異人館(いじんくわん)の
古びしピアノの 聴こゆるは
それは けつして消ゆることなき
僕らの、小さき約束
君は 波止場(はとば)のむこうで気づきしたらうか
寄せては返す 白波のなかに、ぽつんと消えゆく 幻影(まぼろし)よ

#日記広場:小説/詩




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