月光と深い河
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/06/24 10:23:39
ひとすじの青い、かなしみのやうに
夜の林の奥を ひそやかに流れる河がある
だれもそのゆくえを知りはしないのに
草の葉は かすかなその呟きをきいてゐる
樹々の梢が そっと夜空にひらいた窓から
あかるい月光がこぼれて 水の面(も)を濡らす
それは遠いむかしに失くした おまへのまたたく瞳
それとも僕が忘れてしまった やさしい約束の言葉
あかるい月光がこぼれて 水の面(も)を濡らす
それは遠いむかしに失くした おまへのまたたく瞳
それとも僕が忘れてしまった やさしい約束の言葉
あぁ 深い河よ どこへ僕らを運ぶのか
銀の光の帯となって しづかに しづかに
かすむ記憶の岸辺を あたたかく洗ひながら
銀の光の帯となって しづかに しづかに
かすむ記憶の岸辺を あたたかく洗ひながら
冷たい夜風が そよ風に変わるその場所で
僕らはもういちど 巡りあへるだらうか
ただ月光のした 水音だけが僕に答へてゐる
僕らはもういちど 巡りあへるだらうか
ただ月光のした 水音だけが僕に答へてゐる




























