Nicotto Town ニコッとタウン

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夏の香と銀の汗


青い夜のすきまを ひそやかに満たしてゆくのは
むせ返るやうな あらくさの夏の香(かほり)だらうか
僕らは言葉をなくし ただ闇のほとりに佇んで
あつい息のなかに たがひの孤独をたしかめてゐる


月光にすかされた おまへのうなじを
ひとすじに伝ひ落ちる 銀の汗のきらめき
それは言葉にならない 祈りのやうな雫となって
僕たちの若すぎる季節を ひそかに濡らす

あぁ 深い河は 僕らの足元をすぎてゆく
すべてを押し流す 暗い時間のやうに
けれどその水面(みなも)には 星の破片が踊ってゐる

僕らはいつまで この岸辺にとどまるのだらう
熱い肌に触れる 夜風がやさしくなる頃
深い河の音だけが 僕らのすべてを知ってゐる

#日記広場:小説/詩




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