Nicotto Town ニコッとタウン

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バラ色の庭園にて


深い河のゆくへを だれも追はうとはしないやうに
この岸辺のしづけさを おとづれる者もゐない
ただ僕ひとりが 草をふみわけて行き着いた
誰も知らない 秘密のバラ色の庭園(には)よ


あふれるほどの花びらが 夕映えのやうにひらいて
あまい香りは 僕の記憶の古傷をあたたかく包む
けれどここには 僕をよぶ「おまへ」の聲はなく
ただ静かな風だけが 僕の孤独の髪をなでてゆく

あぁ 深い河の水音(みづおと)が 遠くできこえる
すべては過ぎ去り 二度と還らない時間のやうに
この美しい園(その)もまた やがて闇に溶けるのだらう

僕は独り バラの雫を指さきにうけて
まだ見ぬ明日のために 小さな祈りをささげてゐる
沈黙の河のほとり ただひとつの夢を抱きしめながら

#日記広場:小説/詩




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