Nicotto Town ニコッとタウン

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星降る園の孤影


誰も知らないバラ色の庭園に しづかに夜が訪れると
濃い青の闇の底から かすかな花の息づかいが聞こえる
ひっそりと首(こうべ)を垂れた紫のヒアシンスと
うつむいたアネモネの、あれは寂しい愁ひだらうか


見上げれば 天空にこぼれるばかりの満天の星
その冷たいきらめきが 深い河の面(も)をわたって
ただ独り佇む 僕の細い孤影(かげ)を地に縫ひつける
あぁ これほど多くの星が 僕の孤独を見つめてゐる

やがて青白い月光が 梢のすきまから降りそそぎ
眠れるバラのひとひらを 銀色に、あざやかに照らしだす
それはまるで 遠い約束がふたたび目覚めるやうに

僕はただ 星のまたたきと水音のなかに身を沈め
消えゆく影法師となって この夜の美しさをあがめてゐる
深い河のほとり だれも知らない光の園で

#日記広場:小説/詩




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