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六月の窓4

かすむ六月の雨は パステル画のやうに
ひっそりとした湖畔の宿を あわく包み
窓辺に寄せるさざ波は 古いオルガンのやうに
しづかなしづかな律動(リズム)を くりかへしてゐる
ふと雲がひらけて 鏡のやうな水面のうへに
やはらかな七色の虹が 夢のやうに架かるとき
ひとつの孤影が 濡れた葦のしげみを縫って
ゆくへも定めず ひとり遠くへ歩み去る
森の奥へと消えてゆく そのうしろ姿は
いつか失はれた 美しい面影のやうに
ただひとすぢの切なさを 水際(みづぎは)にのこして
私はただ 古い寄木細工の椅子に腰かけ
消えゆく虹の色彩(いろ)と 孤影のゆくへを
寂しいこころで いつまでもみつめてゐる

#日記広場:小説/詩




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