セーヌの哀歌
- カテゴリ:日記
- 2026/06/27 15:03:03
あわい葡萄色の夕暮が セーヌの川面を染めてゆく
春の嵐の名残りの風が 冷たく水を揺すぶるとき
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
きみの来ない川辺の古本市(ブキニスト)の横にたたずむ
春の嵐の名残りの風が 冷たく水を揺すぶるとき
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
きみの来ない川辺の古本市(ブキニスト)の横にたたずむ
外套のポケットの奥 指先が触れる一通の未開封の手紙
きみが遺(のこ)した最後の言葉を 僕はまだ読むことができない
とほい街角から 風にのつて響いてくるオルガンの音は
あかるい寂しさを湛へた 僕たちのための鎮魂歌(レクイエム)
きみが遺(のこ)した最後の言葉を 僕はまだ読むことができない
とほい街角から 風にのつて響いてくるオルガンの音は
あかるい寂しさを湛へた 僕たちのための鎮魂歌(レクイエム)
水面にひとつ、またひとつ ガス燈のあかりが滲むころ
きみの魂が あじさい色の闇の彼方へ流れてゆくのがみえる
「さようなら」さえ言へずに 引き裂かれたあの春の日に
きみの魂が あじさい色の闇の彼方へ流れてゆくのがみえる
「さようなら」さえ言へずに 引き裂かれたあの春の日に
時間は止まり ただ濁流のやうな絶望だけが僕を包む
せき止めてゐた熱い涙が とうとう溢れて頬を伝ひ落つれば
僕はただ 暮れなづむ岸辺に ひとり泣き崩れるばかり
せき止めてゐた熱い涙が とうとう溢れて頬を伝ひ落つれば
僕はただ 暮れなづむ岸辺に ひとり泣き崩れるばかり


























