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青い血のソナタ


見知らぬ夏のひかりが ぼくの記憶をたたく
あの日 ぼくがまだ生まれるよりもはるかむかし
ひとつの都市が灼かれ 人々の影が石に融けたとき
ぼくの血のなかに しずかに流れこんだものがある
それは微かな微かな 追憶の澱(おり)のようでいて
五月のわかばの梢(こずえ)を ふるわせる風のよう
お母さん あなたの見てしまったまぶしい閃光(ひかり)が
なぜいまも ぼくの皮膚のしたで冷たくねむるのだろう
おびただしい歳月が やさしい雨のように降りそそぎ
ぼくはただの少年として うたい よりそい 歩んだけれど
ある朝 かすかな目眩(めまい)とともに告げられる
ぼくのなかの見えない傷が めざめはじめたと
それは風のうたのなかに混じる 遠い祈りの声
ぼくは受け継ぐのだ きこえないその傷のひびきを

#日記広場:小説/詩




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