6月嵐の後の虹
- カテゴリ:ココロとカラダ
- 2026/06/28 00:04:25
ああ、ひどい雨だった。
まるで僕のくだらない自意識が、
空いっぱいに溢れ出て、
街中をめちゃくちゃに汚してしまったみたいに。
まるで僕のくだらない自意識が、
空いっぱいに溢れ出て、
街中をめちゃくちゃに汚してしまったみたいに。
トタン屋根を叩く執拗な雨音に、
僕は毛布を頭からかぶって、
ただ、じっと死んだ真似をしていたのだ。
「幸福なんて、僕には似合わない」
そう呟くことだけが、
僕の唯一の、みじめな権利のようだったから。
僕は毛布を頭からかぶって、
ただ、じっと死んだ真似をしていたのだ。
「幸福なんて、僕には似合わない」
そう呟くことだけが、
僕の唯一の、みじめな権利のようだったから。
けれど、雨はあがった。
6月の、じっとりと汗ばむような風が、
僕の額の髪を、いい加減に撫ぎてゆく。
おそるおそる窓を開けると、
濡れた紫陽花が、やけに鮮やかな青で僕を睨んでいる。
まるで、生き恥を晒す僕を、
憐れむような、あるいは嘲笑うような目で。
6月の、じっとりと汗ばむような風が、
僕の額の髪を、いい加減に撫ぎてゆく。
おそるおそる窓を開けると、
濡れた紫陽花が、やけに鮮やかな青で僕を睨んでいる。
まるで、生き恥を晒す僕を、
憐れむような、あるいは嘲笑うような目で。
ふと、見上げれば、
濁った雲の切れ間に、
頼りない、じつに頼りない七色の筋。
濁った雲の切れ間に、
頼りない、じつに頼りない七色の筋。
虹だ。
仕方のない、美しい、おせっかいな虹だ。
あんな風に空に突っ立って、
「それでも生きよ」とでも言いたげに、
僕の薄暗い部屋を、わざわざ照らしにくるのだから。
あんな風に空に突っ立って、
「それでも生きよ」とでも言いたげに、
僕の薄暗い部屋を、わざわざ照らしにくるのだから。
僕は、にが笑いをする。
あんな綺麗なもの、僕には、これっぽっちも資格がない。
神様が、僕のような道化をからかうために、
空へ描いた悪戯(いたずら)に違いないのだ。
あんな綺麗なもの、僕には、これっぽっちも資格がない。
神様が、僕のような道化をからかうために、
空へ描いた悪戯(いたずら)に違いないのだ。
けれども、
ああ、けれども。
ああ、けれども。
あの光の足元へ行って、
冷たい水溜まりに映る自分の、
しまりのない顔を眺めながら、
もう一度だけ、
「生まれてきて、すみません」ではなく、
「生きていても、いいのかしら」と、
気弱に首を傾げてみたくなる。
冷たい水溜まりに映る自分の、
しまりのない顔を眺めながら、
もう一度だけ、
「生まれてきて、すみません」ではなく、
「生きていても、いいのかしら」と、
気弱に首を傾げてみたくなる。
6月の嵐の後に、
あんな間の抜けた、美しい架け橋を架けるなんて、
やっぱり神様も、僕に負けず劣らず、
ずいぶんと寂しがり屋の、ロマンチストなのだ。
あんな間の抜けた、美しい架け橋を架けるなんて、
やっぱり神様も、僕に負けず劣らず、
ずいぶんと寂しがり屋の、ロマンチストなのだ。




























