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黒い糸

第八章

そんな日常が続いて3年程経った頃、私はバーで呑んでいた。考えるのはいつも決まって悠の事。カランと氷がなった時、一人の男性が声を掛けて来た。…「こんばんは、お姉さん」と、とても素敵な笑顔の美形な男性だった。…「お姉さん、ここ良く来るの?」…「んーたまにかな…」と私は答えた。…「俺、結構来るんだけど、お姉さんの事初めて見たなぁ」と爽やかに笑っていた。…「あー名前言ってなかったね、ごめん…俺蛍ってゆーの…歳は23だよ」とまた素敵に笑う。そんな彼に対しての警戒心が解けていくのにそう時間は掛からなかった。…「お姉さんが来た時はまた話し掛けても良い?」…「うん、良いよ…一緒に呑もうよ」と私は笑ってみせた。彼は…「お姉さんの名前聞いても良い?」そう言いながら酒を軽く吞んでいた。…「あ、うん私は愛羅って言うの」…「アイラさん…綺麗な名前だね、これから宜しくね」そう言いながらにこやかに笑う彼。数時間だろうか…蛍君と他愛もない話をし、笑い合った。彼は…「あ、そだアイラさん、連絡先…交換しない?」そう言われ、少し躊躇ったが…「うん…良いよ」そう答え彼と連絡先を交換した。蛍君と話すのは楽しかった。時間もあっという間に溶けてしまう様に深夜の2時を廻ろうとしていた。蛍君と話をしながら私は…時間ももう遅いな…と考え蛍君へと…「蛍君、今日の所は私帰ろうかな」と伝えてみた。…「あ、ほんとだね…すっかり話し込んじゃった、ごめんね?アイラさん」…「ううん…楽しかったよ、ありがとう」と彼へと微笑んだ。…「俺も楽しかった」とにっこりと笑う彼に…「それじゃあ、またね」と伝え、…「またね、アイラさん」と彼と別れる事になった。店を出た私はタクシーを呼び、5分程で着くらしいタクシーを待っていた。あっという間にタクシーは着いていて私は倒れ込む様に乗り込んだ。…ちょっと呑み過ぎちゃったな…そんな事を考えながら15分程掛かる家へとお願いした。

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