Nicotto Town ニコッとタウン

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想いでの黄金のなかの静寂


黄金(こがね)の波のうねるなか
風はどこからともなく吹きすぎて
ひとりの旅人の背をなでる
あの日、麦の穂はさざめき
鴉(からす)の群れが空を裂いた
青い絵の具のなかに沈む夕陽は
彼の孤独をただ見つめていた
胸に抱いた消えぬ痛みと
カンヴァスに遺した最後の祈り
「悲しみは永遠に続く」と
呟いた声も 風がさらってゆく
弟の温かい腕のなかで
パイプの煙は静かに消え
色の嵐を生きた男は
終わりのない光のなかへ還る
オーヴェルの土は優しく
いまも二人の眠りを包み
名もなき風が どこからともなく
蔦(つた)の葉を揺らして吹きすぎてゆく

#日記広場:小説/詩




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