Nicotto Town ニコッとタウン

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想いでオーヴェル=シュル=オワーズ

風はどこからともなく吹きすぎてゆく
麦の穂をゆらし 傾いた教会の屋根をなで
青い空の下の小さな部屋へ
私よ おまへはもう泣かない
そこには燃えるような太陽のひまわりが
ただ静かに だれも見ていないのに咲いてゐるから
さびしい心は耳をすます
オーヴェルの丘に立つと
麦畑は波打ち 雲は流れる
色あせない画布のなかのうねりは
どこかつめたいけれど どこかあたたかい
それは過ぎてゆくもののかなしみ
もう還らないものへの やさしいうた
待つてゐる それは多分すぐだらう
カラスが飛び立つ夕暮れの空から
筆のあとが息づく静かな村に
ふたたび光がもどるころ
おまへは 風のなかに
きっとやはらかく ほほゑんでゐるだらう
雲雀のなく空よりももっとたかき空に

#日記広場:小説/詩




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