逝くものらへのソネット
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/03 06:16:06
あかりが水に ひるがへり
かすかな夜の 風にふるへてゐる
それらはみな あまたの記憶のやうに
くらい流れを どこへともなく下つてゆく
かすかな夜の 風にふるへてゐる
それらはみな あまたの記憶のやうに
くらい流れを どこへともなく下つてゆく
遠い國の なほ遠いあかりの消えるおとを
私たちは きかないふりをしてゐるのだらうか
あちらでは ひとつのいのちが砂にまみれ
こちらでは ほのかなともしびが波に揺れる
私たちは きかないふりをしてゐるのだらうか
あちらでは ひとつのいのちが砂にまみれ
こちらでは ほのかなともしびが波に揺れる
あたたかい夜の お祭りのざわめきに
まぢつて聞こえるのは 死んだ人たちの足おとか
それとも 届かなかつた祈りのあわき溜息か
まぢつて聞こえるのは 死んだ人たちの足おとか
それとも 届かなかつた祈りのあわき溜息か
水面(みなも)をすべる ひとつびとの影は
ただ静かに 世界の傷口を濡らすやうに
失はれた季節の 夢のやうに流れてゆく
ただ静かに 世界の傷口を濡らすやうに
失はれた季節の 夢のやうに流れてゆく

























