やさしい崩壊のうた
- カテゴリ:日記
- 2026/07/09 22:48:15
「風や音楽への感応」「失われた美しいものへの憧憬」を、量子力学の「不確定性原理(位置と運動量は同時に決められない)」や「観測による波の収束」に重ねた詩編です。
風が かすかな光の粒をはこんできて
ぼくの指先に そっとふれては消えてゆく
きみがそこにいるのか どこへゆこうとするのか
ぼくにはどうしても たしかめることができない
ぼくの指先に そっとふれては消えてゆく
きみがそこにいるのか どこへゆこうとするのか
ぼくにはどうしても たしかめることができない
位置を定めようとすれば 速度(あしどり)がにげ去り
ゆくえを追おうとすれば 姿が見えなくなる
まるで つめたい数式のなかで迷子になった
ぼくたちの はかない約束のようだ
ゆくえを追おうとすれば 姿が見えなくなる
まるで つめたい数式のなかで迷子になった
ぼくたちの はかない約束のようだ
きみはひとつの波だった だれにも見られないあいだは
ひろがる青い夜のなかで どこにでもゆけたのに
ぼくがそっと眼をひらき きみを見つめたそのとき
きみはひとつの点になって 凍りついてしまった
ひろがる青い夜のなかで どこにでもゆけたのに
ぼくがそっと眼をひらき きみを見つめたそのとき
きみはひとつの点になって 凍りついてしまった
ああ ぼくが触れなければ きみは自由だったろうに
ぼくのまなざしが きみの形を決めてしまった
風のなかにのこされた ひとつの小さな部屋で
ぼくは失われた波の歌を いつまでも聴いている
ぼくのまなざしが きみの形を決めてしまった
風のなかにのこされた ひとつの小さな部屋で
ぼくは失われた波の歌を いつまでも聴いている

























