河もにうつる夏の花火2
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/12 11:09:15
ひらかれた窓のむこうの暗い夜のなかに
風はあわただしく ちぎれた雲を運んでゐる
ぼくはひとり失はれた季節の日記をひらき
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を想ひだす
風はあわただしく ちぎれた雲を運んでゐる
ぼくはひとり失はれた季節の日記をひらき
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を想ひだす
遠い街のざわめきは かすかな囁きとなり
静かな河のおもてにひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく闇にひらかれた夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに美しかった
静かな河のおもてにひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく闇にひらかれた夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに美しかった
あかいひかり あをいひかりは水面を滑り
またたくまに夜の底へと還ってゆく
きみは何も言はずにただそれを見つめてゐた
またたくまに夜の底へと還ってゆく
きみは何も言はずにただそれを見つめてゐた
いまもぼくの窓を吹き抜ける風のなか
手のひらはあの夜の冷たさをおぼえてゐる
日記には書き残せなかった あざやかな幻を
手のひらはあの夜の冷たさをおぼえてゐる
日記には書き残せなかった あざやかな幻を

























