Nicotto Town ニコッとタウン

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暁のソネット


かすかな風が…… ひそやかに
わたしの窓を 通りすぎる
消えかけたランプのまたたきのなか
あんなに深かつた夜の闇が いまはもう溶けてゆく
あれは だれかの追憶(おもひで)だらうか
それとも 届かなかつた星のなごりか
冷めた珈琲の苦みの底に
失はれたものたちの やさしい影がにじんでゆく
あかつきは あまりに静かで
なつかしい名前ひとつ 呼べぬ間に
光の幕が そつと降りてくる……
もう二度と戻らない あの駅のホームのように
せめてこの一瞬の 青い孤独を
あなたの心に…… 残しておきたい
【添え書き】
君のいない最初の朝が、静かに窓を叩いています。
ランプの火が消えるとき、僕はまだ、あのプラットホームの冷たい風のなかに立ち尽くしているような気がするのです。
どうか、この青い光が君の街へ届くまでに、君が温かい夢から目覚めていますように。

#日記広場:小説/詩




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