暁のソネット
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/16 21:29:53
かすかな風が…… ひそやかに
わたしの窓を 通りすぎる
消えかけたランプのまたたきのなか
あんなに深かつた夜の闇が いまはもう溶けてゆく
わたしの窓を 通りすぎる
消えかけたランプのまたたきのなか
あんなに深かつた夜の闇が いまはもう溶けてゆく
あれは だれかの追憶(おもひで)だらうか
それとも 届かなかつた星のなごりか
冷めた珈琲の苦みの底に
失はれたものたちの やさしい影がにじんでゆく
それとも 届かなかつた星のなごりか
冷めた珈琲の苦みの底に
失はれたものたちの やさしい影がにじんでゆく
あかつきは あまりに静かで
なつかしい名前ひとつ 呼べぬ間に
光の幕が そつと降りてくる……
なつかしい名前ひとつ 呼べぬ間に
光の幕が そつと降りてくる……
もう二度と戻らない あの駅のホームのように
せめてこの一瞬の 青い孤独を
あなたの心に…… 残しておきたい
せめてこの一瞬の 青い孤独を
あなたの心に…… 残しておきたい
【添え書き】
君のいない最初の朝が、静かに窓を叩いています。
ランプの火が消えるとき、僕はまだ、あのプラットホームの冷たい風のなかに立ち尽くしているような気がするのです。
どうか、この青い光が君の街へ届くまでに、君が温かい夢から目覚めていますように。

























