都会の駅 オルゴール
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/17 12:24:12
せは(わ)しいひと波がゆき交ふ 都会の駅のホーム
ひるさがりの乾いた光が 硝子(ガラス)の天井からこぼれ
ぼくはひとり 古びたトランクを足もとに置いて
錆びついた鉄路の はるかなつづきを見つめてゐる
ひるさがりの乾いた光が 硝子(ガラス)の天井からこぼれ
ぼくはひとり 古びたトランクを足もとに置いて
錆びついた鉄路の はるかなつづきを見つめてゐる
ポケットのなかの 小さな小さなオルゴール
ぜんまいを巻けば あおい高原の風のやうに
あの夏の日のしらべが ひそやかにひびきだす
人混みのなかで ぼくだけに聞こえる約束のうた
ぜんまいを巻けば あおい高原の風のやうに
あの夏の日のしらべが ひそやかにひびきだす
人混みのなかで ぼくだけに聞こえる約束のうた
それは機械の奏でる つめたい音のはずなのに
どうしてこれほど ぼくの胸をあたたかく揺らすのだらう
耳をすませば あのかすかな鈴蘭のゆれる音までが
どうしてこれほど ぼくの胸をあたたかく揺らすのだらう
耳をすませば あのかすかな鈴蘭のゆれる音までが
いつかふたたび あの星屑のそらの下へ帰るまで
この小さな音色(ねいろ)を ぼくの道しるべにしよう
騒がしい街のなかに ぼくの静かな故郷をだきしめて_
この小さな音色(ねいろ)を ぼくの道しるべにしよう
騒がしい街のなかに ぼくの静かな故郷をだきしめて_
結びにかへて
ぼくのノートの いちばん小さな空白に
あおい高原の風が いまも一つきらめいてゐる
さようなら ぼくの愛したすべての幻影(まぼろし)たち
またいつか あの星屑のそらの下で逢ひませう
あおい高原の風が いまも一つきらめいてゐる
さようなら ぼくの愛したすべての幻影(まぼろし)たち
またいつか あの星屑のそらの下で逢ひませう


























