Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



森の奥深く


木々の葉むらはみどりのさやさやと
吹きすぎる風はあたらしくつめたく
雲の影は谷間をわたってゆき
ひそかにひとりのかなしみを告げる
ある山頂の森の、苔むした湯壺には
なつかしい日々の記憶が沈んでいる
古びた木の扉はひそやかに閉ざされ
だれも訪れぬままに時はながれる
けれど夏もなほ、ここには涼しいかげり
水はこんこんと湧きてあふれ
旅人のこころを慰めるためのように
夢はいつもかえりみるべきところをもたず
私はただ、この静かな流れのほとりに
いつまでも佇んで、うたをうたってゐる
***

#日記広場:小説/詩




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.