遠い昔 処暑に寄せて
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/09 21:26:26
ひぐらしの声が 夕闇の底へ沈み
あれほど熾(さか)んだった熱い陽ざしは
いつのまにか 木漏れ日のやはらかさになって
ぼくたちの足もとを そっと濡らす
あれほど熾(さか)んだった熱い陽ざしは
いつのまにか 木漏れ日のやはらかさになって
ぼくたちの足もとを そっと濡らす
風はもう 遠い海の話をしない
どこか見知らぬ尾根を越えてきたやうに
冷ややかな手ざわりで きみの髪を撫で
過ぎ去った季節の宛名を さがしてゐる
どこか見知らぬ尾根を越えてきたやうに
冷ややかな手ざわりで きみの髪を撫で
過ぎ去った季節の宛名を さがしてゐる
まだ夏の名残をのこす ひるさがりの
ちひさな窓辺に ぼくたちは腰かけて
かすかに動くカーテンのゆくへを 見てゐる
ちひさな窓辺に ぼくたちは腰かけて
かすかに動くカーテンのゆくへを 見てゐる
もうすぐ すべての光が透きとおり
告げられなかった言葉だけが
記憶のなかに 静かに遺されるだらう
告げられなかった言葉だけが
記憶のなかに 静かに遺されるだらう

























